◆ 刀談 ◆
江雪左文字(こうせつさもんじ)は南北朝時代の初期に活躍した刀匠の左文字(さもんじ)が打った太刀だよ。大左(おおさ)とも呼ばれ、かの有名な正宗の弟子といわれる10名の刀匠「正宗十哲(まさむねじってつ)」の一人なんだ。
作った刀にはみんな「左(ひだり)」の一字の銘を切るんで左文字っていうんだ。あ、「左(さ)」ってのは左衛門三郎(さえもんさぶろう)の略ね。この人が得意なのは短刀だったから、今残ってる銘のある太刀はこの江雪左文字だけなんだよね。
「江雪左文字」の号は北条氏政(ほうじょう うじまさ)の家臣、板部岡江雪斎(いたべおか こうせつさい)の愛刀だったところから来てるんだー。刀は後に江雪斎が仕えた徳川家康に贈られ、さらに紀州・徳川頼宣(とくがわ よりのぶ)に伝えられたんだってさ。ちなみに「江雪」は川に降る雪のこと。寂しい景色が伝わるかな。